賢治の童話は子供のための童話と言うより子供も大人も楽しめる読み物で、どれもイメージ豊かで、ユーモラスで、オノマトペや歌や音楽に満ち、時に荒唐無稽な自由さに溢れています。
私はそれらの賢治童話から15の作品を選び、28枚の絵を描いて、そこにエッセイを添えて絵本を作りました。だから、この個展はそれらの原画を展示する展覧会ということになります。
いっぽう、私はAIがアートを生み出すこの現代に、AIに対抗するアートの新しい在り方にも挑戦してみたいと考えました。クラウド上で情報が集約されて生成されるAIと勝負するには、より個性的で、より独創的な、想像力が要求されるのではないでしょうか?
私はその一つの方法として、自分の原画に写真など別世界のものを組み込んで、よりイマージネーティブな絵画世界を創造できないか…そんな試みにも挑戦してみました。